肥満税

肥満税(fat tax)とは、肥満を増加させる飲食品に対しての課税である。飽和脂肪酸や砂糖の加えられた飲料への課税が検討、施行されている。

2010年に、ルーマニア政府は「ジャンクフード税」の導入を発表した。 デンマークでは2010年10月1日から、飽和脂肪酸1キログラムあたり16クローネを課税し、施行前には飽和脂肪酸の多い食品であるバターやピザ、肉、牛乳といった食品に買い込み需要が高まった。 ハンガリーでは、2011年9月1日、砂糖や塩分の多い飲食品に課税する通称ポテトチップス税が施行された。フランスでは、2011年12月28日より砂糖の添加された炭酸飲料に課税する通称ソーダ税が承認された。

加工食品に課税するのではなく、その原材料である甘味料に課税する方法も提案されている。

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸を取り過ぎると、カロリー不足でない限り血清総コレステロール濃度を上昇させ、虚血性心疾患を起こしやすくすると言われている。

アメリカ心臓協会は、心臓病と闘うための健康的な食事と生活スタイルを勧告している。脂質関連項目を以下に抜粋する。

日本の国立がん研究センターが4万3000人を追跡した大規模調査では、乳製品の摂取が前立腺癌のリスクを上げることを示し、カルシウムや飽和脂肪酸の摂取が前立腺癌のリスクをやや上げることを示した。

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メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム(英: metabolic syndrome、代謝症候群、単にメタボとも)は、内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖・高血圧・高脂血症のうち2つ以上を合併した状態をいう。

以前よりシンドロームX、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群、マルチプルリスクファクター症候群、内臓脂肪症候群などと呼称されてきた病態を統合整理した概念である。WHO、アメリカ合衆国、日本では診断基準が異なる。

高血糖や高血圧はそれぞれ単独でもリスクを高める要因であるが、これらが多数重積すると相乗的に動脈硬化性疾患の発生頻度が高まるため、リスク重積状態を「より早期に把握」しようという試みが考えられてきた。

このようなリスクの集積は、偶然に起きるのではなく、何らかの共通基盤に基づくと考えられている。日本では特に内臓脂肪の蓄積による肥満が共通の基盤として着目され、腹部肥満=男性型肥満ともいわれている上半身型肥満=リンゴ型肥満に対して注意が呼びかけられている。

特に日本人は民族的特徴から、米国人よりこのメタボリックシンドロームに悪影響を受けやすいとされる。

2008年4月から始まる特定健診制度(糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査)では、メタボリックシンドロームの概念を応用して糖尿病対策を行う事を目指し、40歳から74歳までの中高年保険加入者を対象に健康保険者に特定健診の実施を義務化すると共に、メタボリックシンドローム該当者、または予備軍と判定されたものに対して特定保健指導を行うことを義務づける。5年後に成果を判定し、結果が不良な健康保険者には財政的なペナルティを課す事によって実行を促す。厚生労働省は、中年男性では二分の一の発生率を見込むなど、約2000万人がメタボリックシンドロームと予備軍に該当すると考えており、これを平成24年度末までに10%減、平成27年度末までに25%減とする数値目標を立てている。これにより医療費2兆円を削減する。「医療制度改革大綱」(平成17年12月1日 政府・与党医療改革協議会)の数値目標をなぞったもの。

経緯

1951年、Jouve、Vagueらは男性型肥満が心血管疾患の原因になることを指摘したが、1981年、Rudermannらは正常体重でも肥満の人と同様に心血管疾患になりやすい(MONW)人が存在し、これが高インシュリン血症によるであろうと報告した。そして、1988年、Reavenによって生活習慣病の三大要素(高血圧・糖代謝異常・脂質代謝異常)がインシュリン抵抗性を基礎に集積して、心血管疾患を引き起こすという学説が、「Syndrome X」として報告され、その翌年にKaplanが男性型肥満を加えて「死の四重奏」と命名したのを契機に、インシュリン抵抗性症候群の研究が盛んとなり、1993年、Hotamisligilが肥満とインシュリン抵抗性の間に炎症が介在することを指摘し、1998年にWHO(世界保健機関)が『メタボリック症候群』という名称でその診断基準を発表した事により、「メタボ」としても一般に知られるようになった。

2001年に簡便なNCEP-ATPIII診断基準ができて、これが世界的に普及したが、2004年にRidkerらが炎症マーカーであるCRPを診断項目に加えることを提唱し、2005年に、国際糖尿病連盟(IDF)は腹部肥満を必須項目とするメタボの世界統一診断基準を作成している。

しかし、その直後、2005年に、アメリカ循環器学会と国立心臓肺血液研究所はIDF診断基準よりもNCEP-ATPV診断基準の方が優れているという共同声明を発表し、アメリカ糖尿病学会とヨーロッパ糖尿病学会は、どの診断基準も問題であり、人々にメタボリックシンドロームというレッテルを貼ってはいけない、という共同声明を発表した。

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